〜3 プライベート。
だからやはり、やはり彼女は限りなく美しく、魅力的なのである。50過ぎのオバサンが色気など全く無いのに、ただカワイイのである。ただひたすら、際限なくカワイイのである。 見える姿(スガタ)が透明になって、精神だけが露(アラ)わになって僕に迫ってくる。何もかもがどうでもよくなって、僕は夢の世界を生きている。魂(タマシイ)は肉体を離れて、永遠に果てしのない精神の世界をさ迷っている。何秒、何分だったのだろうか。でもそんなことはどうでもよいことで、僕は、そのとき確かに永遠の世界を生きたのである。 実に、不思議な気持ちになってくる。僕自身もまた、子供のような心境になって行くのである。いつまでたっても、よこしまな情欲や下心がわいてこない。相手が違うのである。だから、つまり、純粋なのである。自分に正直になれるのである。 彼女の前では正直になる以外になかったのである。だからこそ彼女は、僕にとって、他の何よりも大切な存在であり続けたのである。それは僕自身の心の中の、はてしなく純粋で透明な世界を映しだしたのである。まるで闇を貫いて射してくる、一条の光のように。 戻る。 続く。 |