index <  日誌 < K夫人:目次 40、「忘年会」



〜2 楽しみ。

なんということだ。この残酷さ、いじわるで、イタズラっぽく、そうした彼女のすべてが、僕にはとっても限りなくカワイくて魅力的に思えたのである。ちょいと残酷で、イタズラっぽくて、そうした彼女のすべてが僕を惑わせ、狂わせる。

イヤ、そうではない。本当はそれこそが僕の夢だったのであり、限りない希望であり、自分が生きているという瞬間だったのである。僕たちみんなが守って行かなければならない希望そのものだったのである。喜びや悲しみ、希望や願い、そうした自分たちが生きていることのすべてだったのである。

それがなくなれば、自分がなぜ生きているのか分からなくなる。人生の喜びや楽しみそのものだったのである。自分が生きていて、生かされて、そして生きなければならない理由でもあったのである。日々の何気ない、どうってことのない、こうしたごくありふれた日常の風景の中にこそ、自分が生きているという、願いや希望があったのである。そして僕はいま生きている。

 戻る。                           続く。

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