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表面と中身(カタチと実体)。
表面上、同じすがたカタチをしていても、中身がまったく違うものがある。本質的に異質で異なるものなのである。にもかかわらず、目に見える表面はまったく同じなのである。そういう場合がある。そして、しかも、見る側からすると、この見える表面から中身を推察して特定してゆくしかないのである。しかしまた反対に、見えるすがたカタチは全然違うのに、中身はまったく同じという場合もある。ではいったい中身の、どこが同じで、どこが違うのか? それをカタチ作っている原理が違う(または同じ)ということである。そしてそれが生きてきた存在の必然性や理由が違う(または同じ)ということである。つまり、どういうことかというと、見える表面と中身は本来別のものだ、ということである。見える表面とは見る側の主観に過ぎないのである。 つまり、見える表面上のカタチと、その時間的・歴史的な変化のありさまから、その中身にある本質を探求してゆくのである。自分の感覚の感じ方から、観念の世界に映し出されるそのイメージ、様々なつながりや広がり、時間的な変化のありさまから、自己の意識の中でそれを取捨選択し、区別し、共通点・相違点を基に仕分け分類し、抽象化し、一般化してゆくのである。現実世界のありさまを意識の世界の中で再構成してゆくのである。要は、外見に惑わされてはならない、ということである。 戻る。 お終い。 |