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「仕方なく」


人間は、自分にとって出来ることをしているだけであって、
そうなるしかない、そうするしかないことをしているのである。
何かに追い詰められて、まことに仕方なく従うか、ないしは、
創造しているのである。不本意ながらイヤイヤしぶしぶ。

人間が出来ることは、人間を取り囲む地理的
歴史的制約に左右され、条件づけられる。
そして何よりも、人間そのもの、人間の肉体が持つ、
物理的制約に左右される。例えば、サイズと重量、
寿命。二本足、二つ目、五感・・・等々。
それに、骨格や肉体の構造、生理作用の特徴等々。
さらには、文化的な感情や情緒、思考のパターンに
ついても、それは言えることである。

それらは条件であり、前提であり、機能であり、
システムである。そうしたことが現実を生きている、
人間なのである。だからそれは、内的指向性と、
歴史的な方向性を持たざるを得ないのである。
そして、それが人間の概念であり、また、その様式なのである。

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