移動と変化。


今いるところから逃げ出して、
未知なる世界へと人々がおもむくのは、
そうするしかないからで、今いるところにとどまることが許されず、
かといって、他の道がすべて閉ざされている場合に限られる。
アメリカの場合は、建国の精神の続きもあって、それは、
ユーラシア大陸のアイデンティティーとは、まったく異なるものである。

人間が住み慣れた土地と、その下で形成された自分たちの、
生存の様式を捨てて、何か別の新たな民族になるのは、
そうするしかない場合に限られる。人間は自分に出来ることを
するだけである。もちろん、すべての道が閉ざされていれば、
滅ぶしかないのであるが・・・。

だから、自然の圧力が強すぎても変化は起こらない。
自滅するか、石のように固まるだけである。
圧力の弱いところで変化の可能性がある。しかし、
圧力が弱すぎても根本的な変化は起こらない。


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