「2:古代ギリシャ」


〜1、情緒のリズム。


自由になるしかなかった。何も無い世界、見捨てられた世界にあっては、自由に生きるしか無かったのである。自由以外になにも無かったのである。だれもがヨソ者で、よそ者同士であって、自由であるということだけが残されていたのである。

移民は、先行するシステムにたよることが出来なかった。彼らは、すでにあるシステムにとって、よそ者であるしか無かったのである。自分で自分の暮らしのシステムを新たに作るしかなかったのである。

あるいは、すでにある自然の中から新たに見つけるしかなかったのである。そして、それを制約し方向づけ、条件づけたのが、彼らが生きていた自然環境なのである。人間が生きている現実とは、彼らを取り囲み支配している自然環境のことなのである。

              つづく。