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島国という地理的・空間的条件が「逃げきれない」という現実を作り出している。ここからまた、「争えない」という現実の必要が生まれてきている。それがまた日本における現実の、無言のルールやマナーとして定着している。また「いさぎよい」、「群れる」、「節操がない」というのとも深く関係いる。 それでも「争う」ということになると、相手だけでなく自分も含めてその拠って立つところの、現実の社会的基盤というのを破壊しかねないことになる。自分も相手もそして無関係なだれもかも含めて、巻き込んで壊してしまう。 狭い島の中での争いは、たとえ勝ったとしても、勝者も敗者もまたこの島のなかで生きて行かなければならず、だから「争い」というのが最後まで、どちらかが根絶やしになるまで行わざるを得なくしているのである。島という閉じた空間が、「争い」というのを最後まで、とことん突き進まざるを得なくしているのである。これが島の中の、「逃げられない」という現実の意味なのである。 |
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