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「カタチ」。



すべてが偽りの世界の中で、夢のなかだけが真実であり、夢の中だけが本当の自分なのであり、そうやって自分というのをいだき、しっかりと抱きしめることが出来るのである。「夢」とは、妄想と感情だけの世界であり、自分の現実の精神の苦しみや、感覚の痛さからも解放された世界である。なにものにも縛られない、(悪しき意味での)真の自由、気まぐれ、思いのまま、思いつきや感情だけが支配する世界である。だから、死をも恐れない。恐れるもの、縛りつけるものは何もなく、あるのはただ、自分の気まぐれな思いと感覚だけである。

なにかを感じていて、感じるしかなく、感じなければならず、かといて、現実に感じたいものなど何もなく、また、現実の世界で感じるということ自体を放棄している以上、そうするしかないのである。一人ぼっちの「夢」の世界を生き続けるしかないのである。現実を否定している以上、その否定した現実のなかで自分を見い出すしかなのである。それがニセモノだということは、始めからわかっているのである。だから、より強くそれを求めるのである。

空想と夢の象徴としての、幻の世界に引きずり込まれてゆく。そして、そうした夢が自分にとっての現実でなければならないのである。そうしてこそ、夢のなかで生きて行くことが出来るのである。現実は何もかもウソなのである。だからこそ夢に生き、そうして現実に耐えられるのである。

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