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「移動と変化」



今いるところから逃げ出して、未知なる世界へと人々がおもむくのは、そうするしかないからで、今いるところにとどまることが許されず、かといって、他の道がすべて閉ざされている場合に限られる。

人間が住み慣れた土地と、その下で形成された自分たちの、生存の仕方を捨てて、そしてその習慣や常識を捨てて、さらにそれまでの、自分自身の自意識(アイデンティティー)を変えるか捨てるかして、それまでとは何か別の新たな民族になるのは、そうするしかない場合に限られる。それは、少なくとも始めにあっては、いやいや、しぶしぶ、実に致し方なく、全くやむを得ない場合に限られる。

人間は自分に出来ることをするだけである。もちろん、すべての道が閉ざされていれば、滅ぶしかないのであるが・・・。だから、自然の圧力が強すぎても変化は起こらない。自滅するか、石のように固まるだけである。圧力の弱いところで変化の可能性がある。しかし、圧力が弱すぎても根本的な変化は起こらない。


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