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濃い灰色の「夜のキリ」。 灰色からシロへと変わってゆく「早朝のキリ」。 灰色は閉じていて沈んでいる。灰色のキリは夜の闇の中に消えて行って、その先は何も見えない。どうにもならないし、どうにかしてもならない世界である。だから閉じているし、動けないし、そして沈んだような憂うつな落ち着きというか、何かやるせない、断念させるような、あきらめのようなものを感じさせるのである。ふさぎ込むような、閉じて沈んだような感じになってしまうのである。 だが、明け方は少し様子が違う。灰色のキリがシロ色に変わってゆくのがわかるし、それが予測も予感もされるのである。たとえいまは灰色でも、その先のことが読めるのである。だからそれに備えるし、アテもするし、そのつもりで行動もする。たとえ今は、そのきざしがなくても、もう少し経つと必ず日が昇るし、灰色はシロ色に変わり、キリは晴れるし、明けてくる。 そして、それはそのままで気持ちが晴れてくる。そして外へ向かう。精神と肉体が開いて、内から外の世界へ、行動へと向かう。閉じた世界から、開いた世界へと向かう。晴れて、明けて、昇ってゆく。 |
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