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1、別のもの。



四季とは移ろいであり、変化である。私たちは、こうした変化の中で自分を見ていて、自分を確かめている。変化とはキッカケであり自己認識の場面である。それは同時に自分の感じ方というのを、自分が自分の中に見ているのである。

いまだ意識されることのない情緒。意識ではなくて「情緒」、つまり、雰囲気とか気分の「空気」が共同体全体の意思を支配している。だからこそ自分は、この共同体の一員としてあり続けることが出来るのである。

その情緒、意思、考え方、そして生活のすべてについてがそうである。従ってまた、だからこそ、そこから外へ出るということが出来ないのである。外へ出るには、いまあるすべてを否定しなければならないからである。

それは現在の、いま生きている自分を否定するものである。自分が自分で無くなることを意味している。だから、外へ出て、自分以外の何か別のものになる、ということが出来ないのである。


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