index < 日誌 < 古代ギリシャ< 「自由の起源」p5/ |
こうした情緒不安の原因となったのは、民族というのが何か別のもの、様々な異質な民族が織り合わさって、新たにギリシャ民族に統合されたことによる。民族というのが、それまでとは何か別のものになったのである。内容と実体において、以前とは別の民族になったということである。ここに、戸惑いと驚き、恐れやおののきといったもの、勇敢と臆病などといったものが、強く表面に出てくるのである。 おぼろげにかすんで見える霧の中で、ぼんやりと、いまにも消えてしまいそうな自分自身というのを見つめていて、そして同時に、その中から新たな自分というのを模索し始めているのである。たしかめ、定めようとしているのである。 自分自身の意味の確定を求めているのである。意識の世界の中で、自分自身を見つけ、握りしめようといるのである。自分自身と現実の生活の意味を確かめようとしているのである。 |
index < 日誌 < 古代ギリシャ< 「自由の起源」p5/