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始めに何かの色があって、それが陰(カゲ)になったり、光が届かなくなったりして暗い色に見えるのである。何か色があるはずなのであるが、それがうまく見えない状態なのである。あるのかないのかハッキリしない状態なのである。だから気にもなるし、気味が悪くてためらうのである。 薄明りの下のくらがりや、ものかげ、あるいは、夢の中に見る背景が、そういう薄暗い世界なのである。何かあるようで、近づきかねるのである。それは、陰にこもって閉じていて、誘い、ひきずりこもうとしている。そして、入ると出れない、そんな色。 光の絶対量自体がとぼしく現実感に欠け、活動を止めて、何かがじっと潜んですきをうかがっているような、そういう感じの世界である。光が少ないというのは、内向的なのである。 だからまた、こうした感じは、冬の景色にも多かれ少なかれ言えるのである。生気というのを奪い、そしてまた、生気自体が欠けている。そうした無機質の閉じた世界の色である。 |
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