index < 日誌 <z自意識< 「変異」p5/


 
5、衝撃。



自分というのが、初めて自分と向き合おうとしているのである。それは必然なのであって、自己は自分の中にあって、そこから出て来て自分の何たるかを、そして、自分のすがたというものを確めずにはいられないのである。

だからそれは、表面に現れ出た当初は、カタチもすがたもない、ただの衝動や本能なのであって、言葉やカタチとして意識されるのではなく、ただの直感として、第六感や、訳のわからない衝動や感性として、すでに知られている知識や感覚をまったく無視した、ただの直感として立ち現れ、迫って来て、襲ってくるのである。言い知れぬ強烈な精神への衝撃として。

出て行くしかないのである。もはや、そこにとどまり続けることが出来なくなっているのである。そこにとどまり続けるのは精神の死を意味するし、自分が自分であることを否定してしまうことなのである。

だから、そこから出て行かざるを得ないのであり、出て行く以外にないのであって、出て行かなければならないのである。それは自分でもどうにもならない心の動きといったもので、自分が自分であり続けようとする限り、そうするしかないのである。自分がいままでとは別の自分になろうとしているのである


戻る。             履歴へ

index < 日誌 <z自意識< 「変異」p5/