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1、形(かたち)。



ただ、「見ている」といっても、そこには様々な意味があって、触覚や味覚などの他の感覚についても、それは言えるのである。

およそ、それ以前のところで人間は与えられ、定められ、条件付けらているのである。人間の肉体がそうである。あるいはまた、人間が生きている地球がそうなのである。それは人間以前のところから始まっていて、人間というものの存在の前提になっているのである。

人間のサイズと重さ、感覚の種類と範囲、そしてその深度、それらは人間以前のところで引き継がれ、機能し、形成されてきたものである。二足歩行、頭脳のサイズ、集団生活、親子関係などもそうである。それらを基にして人間の生活、人間らしさというのが出来上がって来たのである。

そうした意味で、またその時点で、人間は条件づけられ制約され方向づけられて来たといえる。そしてまた、そうしたことが、人間の目や耳や手といった筋肉や骨、それに感覚器官の特徴と性質の変化の方向性を示しているのである。またそれが、人間にとっての可能性であるとともに限界なのである。

それらはすでに決められていて、定められ、形づくられ、そしてまた、その時点ですでに方向づけられているのである。そしてそれは、人間が現実に生きているカタチの必然的な指向するところなのである。


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