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1、色。



夏の色には空気と光の色が大きく関係している。目に見える夏の世界の情景は、黄色が非常に薄くではあるが混じっている(色温度)。それは光と空気そのものが持つ夏の景色の色である。そしてまたこれこそが夏の肉体の情緒的・生理的世界なのである。

普段は気づくことのないこの色が何かやるせなく、いたたまれない、抵抗を断念させるような意識せざる不可抗力として作用している。なにも考えるなというのではなくて、なにも考えずに自然に与えられるままに、しゃにむに突進するしかないような、そうした情景である。

考えるということ自体が、わずらわしく、うっとうしく、めんどくさくなってしまうのである。「動く」こと自体が目的になっていて、その目的とか理由はどうでもよくなっている。つまり感情的なのである。これが夏の対抗的で外面的な情緒の世界、そしてまた風景の色となっている。


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