index < 日誌 < 2018 < 18-32「輪郭線」 |
見える現実の意味とは、この現実とかかわりながら、そしてまた、それをつくり出してきた、自分自身の中の象徴と符号(sign)の世界がつくりだしているのである。そしてまたそこから、見える現実世界の色やカタチ、姿や模様といったものの意味や理由といったものが知られてくるのである。 それは自分の肉体と現実世界とのかかわり方を示しているのであって、またそうした係わりの中で人間は自分を確かめているのである。あるいはまた、確かめることができるのである。 たとえば血が赤く見えたり、火が黄色く、光が明るく、闇が暗く、あるいは空が青く見えたりするのもそうである。あるいはまた、カタチや輪郭線の「直線」が力強く意志的で変化の乏しい男性的な感じを受けるのに対して、曲線や曲面といったものが、女性的なおだやかで協調的で優しく親しい感じを受けるのがそうである。 私たち人間はそのように世界を見て感じてきたのであって、またそのように経験し関係してきたのであって、そしてまたそれが、そのように自分のなかで印象し象徴してきたのである。そして、自分が生きている意味や理由といったものもまた、このような現実とのかかわりのなかで見い出されているのであって、それ以外にないのである。 そしてこうしたことが自分の感覚の感じ方の根源にあって、自分自身の存在の理由となっているのである。 |
index < 日誌 < 2018 <18-32「同一性」