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生き続けるというのは、同じことの永遠のくりかえしなのであって、同じものが、時間を越えて存在しているというのが、生命・生物としての生きている証拠なのである。しかし、これを人間について見ると、それは同時に、生きながら死んでいるのである。肉体は生きていても死んだも同然の人間である。 歴史で言えば、東アジアの儒教世界がそうであるし、中世インドのカースト世界がそうである。このような世界では変化のないこと、永遠に同じことがくり返されるのが理想とされた世界である。 しかしまた、これも人類の歴史なのである。こうした社会では、人間は生きながら死に続けるのが正義とされ、善しとされる。そしてまた、事実、これが性に合っている人間も確かにたくさんいる。大多数ではないだろうが、これが現実の世の中である。 しかし、それが性に合わない人間も少しは居るのである。少数派ではあるが。このような様々な得体の知れない人間が、同居しているというのが、ありのままの生きた現実の世界なのである。それはバランスであり、歴史上で果てしなく繰り返されて来た、偶然の結果なのである。 |
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