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4、設定。



話がそれてしまったが言いたかったのは、歴史上の様々な文明の根底にあるもの、その現実の前提をなしているのは、そうした地理的・気候的条件だということである。風土といってもよい。このような、地理的条件が暮らしを成り立たせ、秩序を形成し、それに合わせて人間の考え方や、そしてより直接的には人間の「感覚」というものをカタチ作ってきたということである。また、意識せざる情緒的性向もそうである。それが情緒の「型」を作ってきたのである。

この感覚というのが非常に大事なのである。この感覚というのがもっとも注目されるのは、それが見えにくく、気づきにくいからである。意識もされず理屈では説明しにくいものだからである。人間が何を見て、何を聞き、何に触れるかということ自体が、すでに本人よりも先に決められていて、社会によって規制され定められているからである。そしてまた、それ以前に風土によって条件付けられ方向づけれているからである。あらかじめ仕組まれた必然であると言える。

たとえば何かを見ていて、そこから何を感じるかという本来見る本人の気まぐれに過ぎないように思えることが、幼児からのシツケや学校の教育によって方向づけられているのである。そのための家庭であり、学校であり、マスコミであり、政府なのである。しかし、このことについては、もっと深く考えなければならない。


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