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「存在理由」



人間の文明の原理は、現実の中で様々な姿、カタチとなって自己を貫いてくる。人間の肉体の感覚や気分、情緒といったもの、あるいは行動パターンや自意識や考え方といったものも文明の様式に対応して型式化されている。

さらにまた、意識されることのない顔の表情や仕草、立居振舞い、声や言葉の抑揚・・・等など。気分的な雰囲気やその場の空気といったも、あるいは情緒といったものもそうである・・・・・・。このような意識されることのない肉体の感覚や生理作用といったものが文明の根底にあって、それが風土と直接に結びついている。

気温や湿気、山や川、海といった自然条件。そして、その地平の上で営まれる現実の暮らしの中から現れてくる、肉体の生理的・情緒的特質がそれである。そうした制約、条件、可能性といったものが民族を特徴づけ、その民族特有の内的な必然性を生み出している。そしてこれがその民族固有の原理、そして存在理由ともなっているのである。


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