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「きれいな目」



キレイな目。見つめているとホントうっとりするよ。目のなかに宝石が見える。永遠の輝き。宝石のような怪(あや)しげで神秘的な光の色。まるで海の底のように。はてしなく透明で澄んだ色。その中で何かのシルエットがひらひらと漂っている。これはきっと神々の世界だ。

このとき僕は神々の世界をさ迷っている。永遠で限りなくそして届くことのない世界である。まばゆい光の中をさ迷い、もう何も見えなくなっている。目を開けたまま夢の世界を漂っている。

このような目の美しさというのは、僕が男で相手が女だからそう感じるのだろう。もしも、相手が僕と同じ男だったら、ただたんに気味がわるいだけである。

それにしてもこのような目の輝き、美しさ、目の中の光の「色」といったものは、いつでも、どこでも、だれでも、そうなのだろうか?

イヤ、たぶんそれは、きっと、だれもが持っているものなのだろう。ただそれが現れる場面といったものが、非常に限られていて、そしてそれに気づくというのが、ほとんどないのである。それもほんの一瞬だからなおさらである。

そしてそれは外面ではない。目に見える世界ではない。外に現れたカタチから人の心の世界を見ているのである。それは精神の世界を表現しているのである。ちょうど古代の彫刻や絵画からその時代を生きた人々の精神をのぞき込むように。

本人にもそれと気づくことのない、永遠の魂の世界を見ている。あるいはあこがれや祈りといったものかも知れない。精神はそうした果てしない思い込みと、誤解と、偏見と、迷信の世界をさ迷い続けている。


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