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1、境界線。



それは男も同じなのであるが、テレビの中の女の顔に僕は、とっても違和感を感じてしまうのである。ずっとそうだった。それがなぜそうなのか自分でもよくわからず、ただ異質の別世界の住人のように思えてならなかった。テレビの中ほどではないが、街中で見かける若い男と女にも、やはり異様な違和感を感じてしまう。

僕の若いころとは「何か」が根本的に違う。よく見ると、仕草や顔の表情、話し方、人との接し方にもあらわに現れている。全然違う。僕の若いころとは全く異質な世界だ。

女の顔に内面というのがないのである。これは、ある意味でオバケである。人間には心があって、精神があって、そして自分自身というのがあるはずなのであるが、そうしたことが女の顔には、どこをどのように見ても見えてこないのである。自分と他人との間にあるはずの「境界線」が見当たらないのである。

内面が、そのまま露わに外面に出ている。あるいは同じことだが、外面がそのまま内面となっている。内面世界と外面の区別がない。「境界線」がない。自分と他人の区別がない。精神と現実との間に明確な区別というのがなく、自分と現実世界との間にケジメというのが存在しない。これでは自分が見えない。自分が誰なのか、わからなくなる。


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