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人間には自分でもどうにもならない、持って生まれた環境や条件といったものがあって、その中でしか生きて行けないように出来ている。出身・出自、民族・国民、身内や村、親兄弟、それに貧富の格差、といったものが人間をしばり付けている。それによってあらかじめ条件づけられ、規制され、方向付けられている。そしてその囲いの中でしか何もできないように出来ている。 それでも自分は「上の者」であって、すなわち言い変えると、権威や権力あるものにつかえる立場の者であって、最下層の「下の者」ではないけれども、その中間くらいのところにあって、もっと「下の者」を抑え付けることのできる立場であったらどうだろう? このような問いはどこか勘違いしていて、間が抜けている。なぜなら、実際には世の中のほぼすべての人間がそうだからである。 だれにとっても自分より「下の者」は、どうしても必ずいなければならない絶対の必需品なのである。そうやって弱くてもろい、壊れやすい自意識といったものが、なんとか持ちこたえているのである。 平等かつ公平に誰かをバカにして踏んづけて、そうやって自分というのを維持しているのである。それだけで、それ以外に何もなく、ねたみ、ひがみ、荒さがしと悪口だけである。事実、もしもそうでないとすると、どうしても暴動や革命といったものが起こらざるを得ない。だからやはり、まじめに考えてはならないのである。 |