index < 日誌 <u. 日本。<18-72「続、アイドルの女」 |
たしかに助け合いや協調性、みんなが平等というのは居心地がよく理想の世界である。しかしそれは、人間の本質に反する世界でもある。人間には衝動と反発、そして感情というものがあって自分のことを自分で生きようとする、はてしない衝動や夢があるのである。また、そうした中でしか本当の自分というは出て来ないのである。 なにもかも恵まれて与えられるというのは、反面、自分の居場所、自分の生き方、自分の意思がないということなのである。自分というのが窒息してしまう。知らぬ間に自分というのを失ってしまう。そうした非常に危険な状況なのである。 正直ですなお。表と裏がない。それが当たり前。そうしていられる。そしてそれがおかしいと思わないでいられる。そうした社会。何の違和感もない。そうした作られ仕組まれたシステム。それは日本という隔離された島だからこそ成り立つ常識なのである。 心の中に隠れた部分がない。そして疑うことを知らない。他人に対する警戒心もない。他人に対しても、そしてまた自分自身に対しても。そもそも、自分自身といったものがきわめて希薄なのである。 |