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意識の中でイメージされたものだけが、現実にあるものと思えてくる。そして自分を忘れて引き込まれ、吸い込まれてゆく。自分と他人の区別がなくなり、自分が世界の中へ溶け込んでいって一体化する。これは自己放棄であり、ウソとわかっていて信じようとする迷信であり、そしてまた、ウソとわかっている幻覚である。 つまり、意識というのが現実の中でめざめたまま夢を見ているのである。自分で自分を否定して、偽りの夢の中の自分を、本当の自分のように思い込もうとしている。だから自分と他人の区別がなくなって、自分が現実世界の中で夢と一体化して同化してしまうのである。 もちろんこれは妄想というもので、いつわりの世界、いつわりの自分というものである。それは自分がウソであること。自分が自分であって、同時に自分ではないということである。これが迷信とか妄想というものである。しかしまた、これこそが今の自分にとって、何よりも大事で、そしてもっとも必要なことなのである。 |