index< 日誌 < v夢の中 < 19-013「夢の情景」p4- |
夢の中。 うつらうつらの浅い眠りの夢の中で、ぼやけた情景のなかから何かがぼんやりと浮かんできて、次第にその輪郭を表わしてくる。ゆらゆらと揺れ動いて定まらない陽炎(かげろう)のように。 下から上へと、まるでどこかの谷か、樹木の主幹か、または道のようにも見える。しかし、それが何かというのが依然として分からないままである。ただ、そうした景色というのが、ぼやけてワケのわからないすがたから徐々に輪郭だけがクッキリと浮かんできて、それがつながり拡がっていって強調されてゆく。 そしてこの情景の中で縦(たて)に浮かぶ、何かの影のような分厚い線が、上の方でどこかへつながっているように思えてくる。そしてそれが、さらにクッキリした分厚い線になり、そしてさらに面となってその輪郭を現わしてくる。それらがつながり拡がっていって、輪郭の内部からその表面が現われてくる。 裂けてめくれて際限なく拡がっていって、その中からあらわになった何かの輪郭のようなものが映し出されている。地肌が裂けてえぐれて肉体の内部がむき出しになっている。 |