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2、存在の理由。

社会から離れて生きようとしている人間は、きっとどこか怪しくおかしい人間で、何かみんなと違う悪いことを考えている、隠れてこそこそと企んでいる、そうするしかない人間に違いないのである。本当にそうなのである。その証拠にみんなと違うことをしているではないか。

「違う」ということ自体が、社会に背を向けて何かみんなと違うこと、つまり「悪いこと」をしようとしているのだ、という風に思えてくるのである。たしかに、その通りなのである。みんなが生きているその理由を否定している。それとは異なる理由の下に生きようとしている、そういう人間のことなのである。そしてそれ自体が、社会の秩序と安定を破壊する者なのだ。

そして、こうした社会に生きる普通の人々にとっては、そうでない者、みんなと違う者は、あぶりだして吊るし上げて、みんなの前で白状させなければならない、そうした存在なのである。みんなとどこか違っているということは、必ず何か悪いことを企んでいるのに違いない、という風にである。



戻る。                    続く。

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