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6、非常識。


人間はいくら教えられても、それ以上のことはしないし、できないのである。そうかといって、学ばず、教えられもしなければ、それ以前のところに留まったままで動こうともせず、また、動く必要もなく、ずっとそのままで居続けるのである。

それがもっとも楽だし、普通だし、だれも傷つかず、何も変わらず、今まで通りでよいのである。何も変わらないというのが、自分をいつもの自分に戻してくれるのである。常識を常識のままで生きて行くことができるのである。それが、だれからも支持されるし反対もされない、善い生き方なのである。

だから、何も変化というのが起こらず、なにもかもが昔からのそのままで、ずっとそのまま続くのである。いわば、歴史以前の世界である。歴史が成立せず、歴史が不要な、そして、歴史であってはならない世界なのである。

だから、厳密にいうと、このような変化のない世界というのは、ある意味で人間の世界であるのかどうか疑問を抱いてしまうのである。それは、人間的活動が停止した世界である。結局、なにが言いたいのかというと、常識とは反対なのだということである。

それが常識ではない、というところに本来の人間的な意味での世界があるのだということなのである。

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