| index＜ 日誌 ＜ c信じるもの＜ 19-65「異議申立て」 |
| 信じるもの。 ただし、ここでは信じられるもの、信じてよいもの、信じようとすもののことではない。ここでは、もっと一方的な意味でのそれである。 従って、 信じなければならないもの、信じるしかないもの、それを信じる以外には生きて行く道が閉ざされている、という意味でそうなのである。 そしていつの間にか、それが自分にとっても真実の正しいことのように思えてくるのである。また、それが正しいと思わなければならないのである。のみならず、自分の周りの人間にもそれを広げようとするのである。そうした、つながりでもって結び付けて、自分の周りに押し広げて行こうとするのである。 そして、それが自分の立場というのを強くしてくれるのである。処世術というものなのである。居場所と、立ち位置というのを提供してくれるのである。自分で選ぶということができない状態、そうした世界を人間は生きているのであって、それが自分に与えられた唯一の生きて行く道となっているのである。またそれが、文明という社会の秩序なのである。 |