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人間は自分が信じるもの、そしてそれが指向するところに従って生きている。ここで言うところの「指向」するというのは、本人にも意識されることがない、そして自覚されることもない、そうした無意識の「傾向」とでもいったものである。あるいは、気質や気性とでもいったものである。 それが無意識だというのは、あらかじめ条件づけられ、制約され、定められているということである。それは、あらかじめ条件付けられたところに成り立つものであって、それが「条件」なのであって、また、そうした条件の下においてのみ存在し得る現実なのである。 従ってまた、それ以外に成れず、それ以外を知らず、知りようもなく、それしかないのだから、それに疑問を抱くこともできず、それが意識されることもないのである。当然のことを当然のように、それを当たり前の常識や習慣として生きているのである。そうである以上、本人がそれに気づくことがない、ということなのである。本人にしてみれば、そうしたことに理由などないのである。 |