index< 日誌 < c信じるもの< 19-72「続々、自分たち」p6 |
要するに、これこそがもっとも大事なのである。本質と言えるものなのである。そうやって、苦労せずに生きて行けるのである。自分で自分に悩まずに生きて行けるのである。自分の中に自分が居ないのだから、自分に苦しんだり悩んだりすることもなく、そうした意味で、これが幸福であると思われているのである。 自分で自分の心の中をのぞき込まなくて済むのである。そうやって、ずっと生きてきたし、いまもそうであるし、これからも、ずっとそうであり続けるのである。それ以外の生き方を知らず、また、それ以外の生き方というのが出来ず、また、それしかが出来ないように始めから出来ているのである。 そうやって生きてゆくしかないのである。そしてまた、それこそが自分自身というものなのである。そして、これこそが社会にとってもっとも望まれる人間のタイプなのであって、また、そうであることによって社会が安定し、安全でいられるのである。つまり、これが社会にとっての大多数の普通の人々なのである。 それはこの世界で、もっとも求められる標準的・一般的な人間のモデルなのである。よくまとまっていて、扱いやすくトラブルを起こさない。そうした、もっとも統治しやすく、安全で安定した平和な社会を実現しているのである。 |