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2、強制。


だからまた、意志の主体というのがどうしても必要になるのであって、それは自分以外の他人、それも有無を言わせぬ強制力の中心としての「権威」に求められるのである。自分で自分を意識できない以上、それは仕方のないことなのである。自分としては、そうするしかないのである。

そうした、自分にとっては他者に過ぎない「権威」または権力に、自分の自意識を見い出しているのである。そしてそれに従い、自分を似せてマネて作り出してゆくのである。そしてその中で自分を感じて意識しているのである。そしてまたそれが、自分の意志であるかのように思えてくるのである。

そうしてこれを、自分自身の自意識としているのである。自分が自分に対して信じているもの、アイデンティティーとしているのである。そして、このような自分で自分を意識する自己意識というのがない以上、自分の自意識というのが他人との間の直接の関係のなかに求められているのである。

戻る。                  続く。

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