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2、正直。


やはり、ぼくにはk夫人が世間知らずで、軽薄で素直な女の子に思えてならなかったのである。世の中には、こういうバァさんに近い年をした女の子もいるのだ。はたして、いままでどうやって生きて来たのだろう?

しかしまた、このような素直さ正直さといったものは、現実の世界から見るとマヌケであり、カモであり、つけ入られる「弱み」に過ぎないのである。世間では、正直さというのは人間的な弱さであり、落ちこぼれの証明でしかないのである。

しかし彼女自身がいままで、そして今もそうであり続けるというのは、それは彼女自身の素直さであり、正直さの表明であり、証明なのである。そして実はそうしたことが、僕にとって見ればは、k夫人が限りなく美しく可愛らしく魅力的な存在であり続けた原因なのである。いつまでも変わることのない、永遠で純粋で神聖なものに思えて来てならなかったのである。


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