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現実を作るカタチの素材になるのは、あらかじめ現実にあるもののことである。現実にあるものを通してしか何も作れないのである。そしてこの素材が、それからの現実のカタチを示唆し、方向づけ、条件づけるのである。また、暗示もしていて、そして事前に決定もしているのである。現実というのは、そのようにしか成れないのである。 植物であれば、気温や降雨量や風といった気候、すなわち、おおむね地球上の緯度によって示される。あるいはまた、河川、山や平野といった地形・地味などによっても左右される。そしてまた、こうしたことは、植物に限らず動物においてもまた、そうである。 そして、無生物・無機物もまた、視点を変えて見るとやはり同じことが言える。鉄鉱石や石炭・石油の埋設地帯、石灰石の豊富な地形、あるいは地味が豊かで堆積しやすい山すそから抜け出てきた所の扇状地などがそうである。 要するに、このような現実の自然条件の中から、素材や材料・原料などが見いだされ、利用され、そしてそれに条件付けられ、制約され、方向づけられて、そうして現実のカタチといったものが生成されてくるのである。 作るというのは、すでに有るものから、それを元にそこから創り出すのであって、そしてすでにあるものと言うのは、現実にあるもの、自分の身の周りにあるもの、自分が手に入れて利用することができるもののことである。 そして、これが自分が生きている、また、これからも生きて行くことができる現実の条件なのである。そして、このような条件を離れたところに人間は存在しないのである。存在出来ないのである。そしてこれが、そこで生きる者にとっての、生きて行く方向となっているのである。そしてまた、気性や気質が目指す傾向の、特徴となっているのである。 |
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