index< 日誌 < y肉体 < 20-90「死者たちの招き」 |
あって、そしてこれが、自分たちの祖先としての死者たちが、私たちに残して行ったものであり、そしてまた、それが現実世界において、自分自身の身体のなかで生き続けている、ということなのである。身体のカタチと機能がそうであり、そしてその生理の作用と生活のスタイルがそうなのである。 そして、そうしたことが自分を招き、それへといざない、そして導いているのである。逆らうことも、避けることも、逃げることも出来ない、自分のなかで生き続けているもう一人の、他人のような自分なのである。そしてこれが、自分を強制し方向づけているのである。自分自身の中の本能や気質・気性として生き続けているのである。 まるで、あらかじめ敷かれたレールの上を歩いて行くように。それしかなく、そうせざるを得ず、それだけが自分にとっての現実を生きて行くための、唯一の手段になっているのである。そして自分自身の、この身体がまさしくそうなのである。この身体を離れたところに自分というのは存在しないのである。これが自分の身体なのである。そしてこれを自己の同一性と言っているのである。 |
index< 日誌 < y肉体 < 20-90「死者たちの招き」