――イメージをカタチに(・Image)――
先日、お客様のところで植木の四季について話したら、 たいそう驚かれました。 あまりに当り前のことなので、気づかずにいたのでしょう。 南北に伸びた日本列島は四季の変化が際立っており、 また、海に近く温暖でですみやすい気候です。 山が多く峻険な地形が多彩な動植物を育んで来ました。 また、生水を飲める、世界でも非常に限られた国の一つです。 そうした、自然のとても美しい国です。 こうした自然の影響は食文化にも見られる。 山・川・海の産地が近くにあって、また水が清く、 生で野菜や魚を食べる。食べることの出来る国です。 明瞭な四季の変化は、「旬の味」の味覚をも発達させた。 また、胃袋ではなくて視覚で食べる、日本の味覚はどうだろう? 狭小な国土と過密な人口が清潔好きで、争いを避け、 感情をあまり外に出さない内向的な精神世界を発達させたのでしょうか。 色彩感覚はどうだろう。 派手な原色を好まず、どちらかというと淡い、 目立つようで目立たない色を好む。 日本語にもそうした感じを受ける。 言葉のリズムに高低長短がなく、何を話しても平坦。 感情があまり外に出ない言葉です。 発音とその表記法にも、 強弱とか絞るような音の区別、そのものがありません。 さらに同じ意味のことを話しても、丁寧語、「言い回し」などを用い、 その上、気配りと察しの美学で会話する。 コミュニケーションでは、 言葉よりもその場の雰囲気が重視される。 周りに対する気配りと配慮、そしてそれを誰よりも早く察知する能力が要求される。 身振りとしぐさ、目の動き、暗示そして周りの空気。 言葉よりも、集団としてのそうした暗黙の了承(コンセンサス)が重視される。 〜タネ本。 エドウィン・O・ライシャワー: 「ザ・ジャパニーズ・トゥデイ」 1989. 堺屋太一: 「日本とは何か」 1991. index(索引)<concept(概念)<業務日誌< 市 ・Image |