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index(索引)<concept(概念)<日誌<2011-0710-2 市
嫌われる「執拗」。
およそこの狭い、 逃げ場のない島国日本において、 執拗は、加重化される残酷として、 子々孫々に渡って固定化される恐れがある。 それは非和解的な、 絶望的かつ凄惨な爆発を意味するのであるが、 もとより、日本列島において、 そのような習慣も文化も存在しなかったように思える。 執拗は、嫌われるのである。 目前の状況に応じて、 それまでの行きがかりをさっさと捨てて、 すぐに周りに迎合して仲間化する。 節操がない。 臨機応変かつ実際的で現実的な態度である。 このような態度は、 有史以来、日本列島を支配して来た、 暮らしのサイクルと密接に関係している。 農耕民族なのである。 蛋白源は長く江戸時代に至るまで、魚であった。 肉は食べなかった、 考古学上も遊牧の痕跡は見当たらない。 労力として牛や馬を飼うことはあっても、 食用として飼うのは稀であった。 殺生が性に合わない、 中途半端なベジタリアンだったのである。 |