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<妄想ワールド>秋・2011-1130  
  
    @ いとなみ。


山々の谷間から霧(キリ)が立ち、
その山の稜線に沿って昇って行って、
そうして、大気の中に消えてゆく。
まるで、何かにさそわれ導かれるように。

風の気流が、キリを運んでいるのだ。
この気流は、大気の循環と、
地上の風景との交流から生まれたものだ。
だから風に乗って運ばれる霧を見て、
私たちが、不思議に思うのは、
当然なのかも知れない。
逆らう事の出来ない、
自然の摂理としての大気の循環を、
このキリの循環によって、
私たちは見ているのである。

逆らえない大きな、
自然の営みなどという宿命の中で、
人の力ではどうにもならずに、
ただ、導かれるままに、
立ち昇っては消えてゆく、
自然のありさまとして、
自分自身を見ているのである。




 戻る。                  続く。





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