――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)<concept(概念)<日誌<2011-1207 市
レンブラントの絵は、光の扱い(ライティング)が まるで、日本画の「幽霊(オバケ)」のように見える。 薄暗く、 暗いというよりも、 闇の中から浮き上がって来る感じだ。 顔の表情すらそうだ。 確かに実写的(リアル)で、生きいきしているが、 どこか何かが欠けている。 何か、それを照らしている「光」の質に、 違和感を覚えるのである。 この光は、夜のそれである。 真昼の光ではなく、その陰影(カゲ)を映している。 正面ではなく、背後のそれである。 太陽ではなく、それを反射してコピーしただけの、 夜の月明かりように、実体がない。 偽りの、自分の空想だけで作り上げてしまった、 仮構の世界。 自己の内面だけで完結し終始する、閉じた世界。 出口はどこにもない。 二度と現実の世界へ戻ることのない、 閉じた精神。 画家は、自己の魂の世界を描いたのだろうか。 あるいは、そのように見ている、 僕の精神こそが、疑われるべきなのだろうか。 だいたいから僕のような暗〜いイメージで、 この絵を見る人は例外だろうから。 |