――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)concept(概念)ルネサンスへ2012-0102  市



異邦人


精神状態、感情や気分のあり方。
思考のパターンといったものが、
郷土の気候・風土と密接にに関連している。
人々を結びつける、
ルールやマナーといったものもそうである。
それを、暗示する兆候はたくさんある。

島国なのである。
文化というのが、自国内で完結している、
閉じたシステムなのである。
歴史的にも地理的にもそうである。

閉じているというのは、
ユーラシア大陸に対してそうなのである。
だから、気付かないし、
意識する必要も無かったのである。
大陸に対しては、
ずっと「異邦人」であり続けたのである。
そのほうが、ずっと安全だし、楽だったのである。
さらにまた、
大陸のそれとは違う自分というのを、
意識する機会もほとんど無かったのである。
少なくとも、19世紀に到るまでは。

このような大陸、
すなわち、国際世界に対する、傍観者的な態度。
国際世界を、外から眺める態度。
まるで、第三者のように。
そうした意味で、大陸に対しては異邦人だったのである。
それは、島国から見ると、
ユーラシア大陸は異国だったのである。
こうした感覚、閉じた内へと沈潜する精神が、
この文化を特徴付けているように思える。

反面、このような態度は、
追い詰められると、
逃げる事の出来ない、非常に危うい立場であって、
それがまた、自己を強く自覚させる場面となる。
このような、アイデンティティーが強く意識されたのは、
「日本」以外には無かった。
他のアジア諸国、中東においても無かった。
20世紀初頭、日本だけが、
西洋による世界秩序への、列強入りを果たしたのである。







index(索引)concept(概念)ルネサンスへ 

  市 ・Image。