――イメージをカタチに(・Image)――
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肉体の記憶。


景色を見る僕の目は、すでに与えられている。
それは、あらかじめ定められ、定形化し、
すでにパターン化されている。
景色を見る僕の目は、
実
(じつ)はそのパターン化された、
自己の目の「感じ方」なのであって、
景色を通して、僕は、
自分自身の心の中を見ていたのである。
意識は、自分自身の「感じ方」を見ている。

そしてこの「感じ方」こそは、
まさしく、自己の歴史そのものだったのである。
それは、祖先の記憶を、
目という視覚を通して見ている。
外にある景色ではなくて、
自己の精神の根源としての、祖先の記憶を、
自分自身の目の中で見ていたのである。
自分の目に映る景色の、感じ方・見え方というのは、
実質的に祖先から与えられ、
引き継がれたものである。
そして僕が見ている、この感覚とは、
「種」としての、祖先の記憶そのものだったのである。
「感覚」とは、祖先の歴史の結果なのである。

そうした祖先の記憶が実体化したのが、
自己の肉体であり、そしてそのカタチは、
「種」としての個人の、方向性と条件を示している。
それは、生まれ出た自分自身の、
肉体の仕組みが求めるところの、
生理的・情緒的特性の方向、
情感や心理的美意識の、
好みや傾向の内容と方向を示唆している。
のみならず、それが行きつく先の、
可能性と限界もまた条件付けている。

それは、現実の世界に映し出された、
自分自身の心の中の世界であって、
こうした記憶によって僕は定められ、
その生き方、感じ方、
そして、他人とのかかわり方において、
「僕」が現れる。
それは同時に、自分自身の存在の仕方や、
成り立ちそのものなのである。




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