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index(索引)concept(概念)ルネサンスへ2013-0926



方言が支配する空気。



「方言」の持つ特殊なイントネーション。
話す会話の、独特の抑揚や、
発声の高低、長短、強弱、
さらに、濁音と清音の微妙な干渉、等々……。

郷土に生きる暮らしのサイクルや
日々の糧を得るための労働の、独特の拍子やリズム。
そうした日々の暮らしの中で引き継がれて来た、
何気ないしぐさや行動の、リズムや鼓動。
無意識の本能的な情感。
それらが、郷土の民謡とか、
作業歌の起源になったのではないだろうか?

だから、「方言」の持つイントネーションは、
とても重要である。
郷土の魂(たましい)といったものが、
揺れて軋んで喘ぎながら、奏でているのである。
その律動する心臓の鼓動や、精神の息吹きが、
漂いながら、音となり空気となって、
人々を支配しているのである。

言語というのが、現実の暮らしの中で生きていて、
その場の空気を支配するものとして、漂っている。
記号としての言語以前の、
感情とか生理的情緒と一体となって、
その場面を支配している。

暮らしの中で、
自分の肌に触れる末梢神経の動きとか、
血管を流れる血液とか、あるいは、
生理的な感覚器官が現実に生きて機能していて、
自分自身とその相手、
そして、その場の人々を支配しているのである。
生きて、現実に暮らしている人間の、
生理的な感覚のリズムなのである。

郷土の歴史と暮らしの中から
形成されてきた「方言」の、
このような本質的な部分については、
理性とか理屈では説明できない、
それとは、次元の異なる世界なのである。
思考とか意識以前の、文化の、
生理的な情感が支配する世界なのである。





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