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index(索引)concept(概念)ルネサンスへ2013-1119



見えない存在。



感覚でとらえることができない。
しかし事実、現実の中に存在する実体。
それは、現実の世界を動かしている、
原理とか、秩序とか、
オキテ(掟)とかいったものである。

たしかに目には見えないけれども、
何かの強烈な意志として、現実を支配している。
超感覚的な存在である。
それは、現実の物としてとらえる事の出来ない、
自分自身の、現実の感覚を超えたところにある、
意識や思考の中にのみ存在する、実体なのである。
習慣とかシキタリ、伝統とか文化というものである。

それは、
社会のシステムや秩序に深く浸透しているもので、
普通の人々の暮らしと収入の土台となっている。
そこからまた、人々の考え方や人間関係、
個人の心の拠りどころ、
社会のキズナ(絆)といったものが形成されてくる。

だからそれの変更といったものは、
非常にむずかしいのである。
理屈でそうなのではなくて、
心情的にむずかしいのである。
なぜなら、それは現に生きて生活している、
人間の精神を破壊し、
自分自身の存在といったものを、
否定することになるからである。世の中で、
これ以上に恐ろしいことはないのである。

自分が、誰かわからなくなる。
自分の居場所を見失い、
「空気
(*注)」が無くなって窒息死するのである。
自分で、自分の存在の否定を強要し、
迫るものなのである。しかも、
この社会システムを構成する大多数の人々に、
それを要求するのである。
だから、こうした社会変革というのは、
非常にむずかしいのである。
大衆は、そんな残酷なことを、
だれも望まないのである。

 * 注:
「空気」とは、社会の秩序とか常識、シツケとかいったもので、
日本社会の暗黙の了解、オキテというものである。
これに逆らうものは、社会から隔離・追放・破壊され、
死に至る。経済的にも肉体的にも社会的にも。
シツケるとは、このことである。
原因は、個人というのが自立せずに、群れて迎合することにある。


 
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