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index(索引)concept(概念)ルネサンスへ2013-1228-5   市



消えた私 5、虚構


しかし、正直に白状しなければならない。
この場合、協調性と助け合いとは、
コネと談合ことである。
そしてそれは同時に、そうでない者への、
排除と制裁、差別と蔑みを伴う。
そしてまさにこれが、日本社会をうごかしている、
基本的原理というものである。

そうです。
このような差別と排除などといったことは、
言ってはならないことです。真実だから。
それを否定したくても、否定できないから。
だから、言ってはならないのです。
逃げ場所も、言い訳も出来ないのですから。
日本の社会全体が、そして自分自身も。
それらすべてが、否定されてしまうから。
そうした迷信と偽善の、空虚な世界を生きている。
私たちは、この偽りと偽善の世界を演じ続ける、
加害者なのであります。
だから、真実は言ってはならない。
隠し続けなければならないのです。

だからまた、自分というのが見つけられず、
失われたと思えて来て、当然なのであって、
何を見ても聞いても、あるいは経験しても、
何か最も大切なものが、いつも欠けていて、
外面だけで、中身がカラッポの、
虚しいものに思えて来る。現実世界のどこを見ても、
魂(タマシイ)といったものが消えていて、
何かの抜け殻のように思えてくる。何もかもが、
偽りと虚構の世界のように思えてくるのである。

 
 戻る。                お終い。



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