ルネサンスへ2014-1201    市


夏祭りの太鼓。


太鼓の音は心臓に響く。むし暑くいたたまれず、
自分というのが、外に向かわざるを得ないのである。
人間の顔つきも仕草も、服の色もそうだし、
太鼓の音もそうである。なにもかもが挑発的で、
対抗的で、開いている。自らの相手を求めて、
乱れ狂っている。すなわち、外向的なのである。

透きとおる音と、透明な色は冬の空気の色であるが、
それが夏では、にごる。
夏の空気がにごるのは、生命活動の結果である。
無機質ではない、ということだ。
生命があふれ、くさるほど満ち満ちている。
匂(にお)いもそうだ。空気中に生活のにおいと、
チリが多く含まれ、光が回折し、
空気に暖色が混じる。音もにごる。

熱と湿気による、このような生命の充満。
生への欲求の爆発と噴火。
その頂点が8月のマツリである。
それが、人間の雄叫(オタケ)びとして、
太鼓の音で表現されている。
雲のカタチもそうだ。湧きあがり、
勢いに乗ってモクモクと広がって上昇し続ける。
静かに、じっとしていられないのである。

服の色も、寒色系と暖色系のどちらもあるが、
暖色系の、赤や黄色などは、むしろ、
自己の外に対して、対抗的で攻勢的である。
服の生地も薄くなって、素肌が露出する。
それは、カラダがそれを要求しているのである。
空気とカラダとの、このような関係、
それがつまり、対抗的なのである。

それは、生物的で生理的ではあるが、
同時に、感情的で条件反射的でもあるし、
思考と感情が求める特徴ともなっている。

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