(  市)ルネサンスへ<2015-0129 肉体表面の女性らしさ。



③ 陰影の質感。


また、内部の筋肉や血管というものが、
ほとんど表面にあらわれず、素肌というのが、
むきだしの生物のようにではなくて、
何かの、底なしに柔らかいクッションのように、
思えてくる。実際、なだらかで柔らかい、
見ているだけで、触れるような感触なのである。

肌表面の、ぼやけた感じの、キメの細かい、
やわらかい感じのツヤが、見るものをして、
優しく包み込まれるような感じをうけるのである。
光の反射が散漫なのもそうだ。
だれに対しても等しく開いて見せている。
相手を選ばないのである。

それらが、おだやかで優しく、見る者をして、
肉体の、その向こう側にある、
精神の世界へといざなうのである。
そして、このおだやかさとは、
女性特有の肉体表面の陰影なのである。
肉体表面の光と陰が織りなす、
グラデーションの世界なのである。
ゆるく、穏やかに開いていって、そして、
つつみこんでゆく、陰影の質感なのである。

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