(  市)ルネサンスへ<2015-0129 しろ色、



④ 閉じた色。


始めに何かの色があって、それが陰(カゲ)になったり、
光が届かなくなって、暗い色に見えるのである。
何か色があるはずなのであるが、
それが、うまく見えない状態なのである。
あるのか、ないのかハッキリしない状態なのである。
だから、気にもなるし、気味が悪くてためらうのである。

薄明りの下のくらがりや、ものかげ、あるいは、
夢の中に見る背景が、そういう薄暗い世界なのである。
何かあるようで、近づきかねるのである。
それは、陰にこもって閉じていて、
誘い、ひきずりこもうとしている。
そして、入ると出れない、そんな色だ。

光の絶対量自体がとぼしく、現実感に欠け、
活動を止めて、何かじっと潜んで、
すきをうかがっているような、そういう感じの世界である。
光が少ないというのは、内向的なのである。
だからまた、こうした感じは、
冬の景色にも多かれ少なかれ言えるのである。
生気というのを奪い、そしてまた、生気自体が欠けている。
無機質の、閉ざされた世界の色である。

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