( 市)ルネサンスへ<2015-0221-b
冬の、 ひきこもり。
冬の風景を構成する、輪郭線や境界線といったもの。 色と色、明と暗、カタチとカタチの境目(サカイメ)といったものには、 それらの間に、つながりがなく不連続で、 線にも滑(ナメ)らかさといったものがなく、カサカサしていて、 何か固定したような固(カタ)い感じなのである。だから、 風景自体にうるおいがなく、生命が活発に活動している感じがしない。 むしろ、生命は固く閉じて、停止または眠っている感じなのである。 そして、まさにそれこそが、冬の風景そのものなのである。 夏の風景の少しにじんだ感じというのは、 実は、うるおいであって、水のことである。なめらかな柔らかさで、 そして外面と内面の活発な交流を示している。 内面というのが、外の世界に対して開いて、活発に反応している。 反対に、冬の乾いた、カサカサした固い印象は、 生気を欠いた無機質な、活動が停止してまるで化石化したような、 そうした、閉じて固まった世界である。内面というのが、 殻(カラ)の中にかたく閉じこもった状態である。 自己というのが、外の世界に対峙していて、交流を断絶して、 ひきこもって、様子をうかがっている状態である。 外の世界へ出るキッカケとか機会を見いだせず、 そうした、場面そのものが、現実の世界にないのである。 うるおいがない、というのはこのことで、内向的で、非行動的、不活発、 まるで時間が止まったかのような、無機質な世界である。 戻る。 |