(  市)ルネサンスへ<2015-0221 印象の世界、



④ 夏の対抗的。

景色というのが、明暗を透かして自己を主張し、
暗さの中から、それを押しのけて、
明るさとして自己を現してくる。そして、
この明暗の差というのが、著しく、そして激しく、
強力で、力強いのである。

ふてぶてしく、厚かましくて図々しいのである。
むき出しで、周りと張り合って、でしゃばる。
それぞれが自分に精一杯で、
まわりを押しのけてでも、出てこようとしている。

だからこれを、外の世界、外気との関係でみると、
親しいというよりも、対抗的で、外向的で、戦闘的である。
冬のような内向的でも、春のようなおだやかな
親和的な関係でもなくて、外の世界に対して、
対抗的なのである。

攻勢的で、力強く活発に反応している。
外向的なのである。色とかカタチ、
そして光の強さといったものが、自己のなかから、
外の世界へと向いているのである。それは、
この季節の地上に生きるものにとっては、
必然のカタチなのであって、
もともと自分の内部にあったものが、
何かに導かれ、指向されて、
カタチとなって出て来たのである。

反対に、たとえば冬の世界は、光そのものが弱くて、
コントラストもおだやかで、陰にこもったような印象を受ける。
陰影が弱く、景色に奥行きがなく、のっぺりしていて、
平板な感じなのである。そして、活動が停止して、
時間が止まったような感じになる。

     戻る。            お終い。


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