(  市)ルネサンスへ<2015-0424-a



変化の要因。

閉じた完結した世界での、
本質的な変化というのは、ほとんどなくて、
同じすがたでの生成・消滅の繰り返しがほとんどである。
そのキッカケとなるものも、場面も、必要もないからである。
多少の変化があったとしても、それを動かしている
基本の原理といったものが変わらないし、
変わりようがないからである。変わるとは、
それまでとは違うということであって、
別の理由と、原理でもって支配されるということである。
このような、何かが、別の何かに変わるといった場合、
以下の、三通りの場面が考えられる。 
①誘発、②衝撃、③侵入。


① 誘発。

現実を、別の光源から見ることになる。
現実というのが、まったく別世界のように見えてくる。
色もカタチも、そして現実のそれぞれが、
まったく別の意味を持ってせまってくる。

異界の接近によって、それを知ることになる。
自分というのが、これまでとは別のものに思えてくる。
自分のすがたカタチ、そしてその意味といったものが、
問われ、再発見され、以前とは別のものとして
自覚される。自分が他人のように思えてくる。

うすぼんやりしたマダラ模様となり、それがなにかの
輪郭のように強調されてくる。どうでもよい、
カタチなきマダラ模様といったものが、
別の意味を獲得して、自分にせまってくるのである。

輪郭が、何かのカタチとして意識され、
面が色を表しはじめて、個性となって、
何かのすがたとなって現れる。そして、
それが何かの明確なカタチとして自分に意識されるのである。


② 接触。

異界との接触面が、歪んで、きしんで裂けて、
なにかのシルエット、すがたとして見える。


③ 侵入。
接触面が裂けて、開いて、異界から直接、
異物が入ってくる。異物が何か得体の知れない
すがたとして見えてきて、
戸惑い、迷い、驚き、警戒する。

 戻る。           


ルネサンスへ